ミシャカ日記

日本語の勉強、思考の整理、自己の発見

「序文」繋がりを感じるポスト

うちの最寄りにあるそれは四角い体をした小型のものである。

小型である故、口は一つである。仲間たち同様赤い体をしている。埃にまみれてペンキもいくらか剥げている。

しかしたとえ立派でなくとも、それがあると世界との繋がりを感ずる。今、私が住んでいるこの世界とは別の、どこか知らない世界との繋がりを感ずるのである。


私は幼い頃より郵便ポストにはなにか心惹かれるものがあった。小学校に上る前の時分、悪戯に木の葉を差し入れたこともあった。これもまた憧れからくる悪戯であったろう。この憧れは恐らく、新しい世界との出会いがそこにあると心の奥で感じているところから来るようである。

言うまでもなくポストは受信点ではなく発信点であって、ポストの前に立っていても何も起こりはしない。発信することで出会うのである。といっても、誰かからの返事を期待しているわけではない。発信することで、新しい自分ともいうべきものと出会えるように思われるのである。 

 

ミシャカ散人