6月20日
朝、薄晴れ、14度。
ニセアカシアの花の香森に充満す。また落花狼藉たり。
音楽関係雑務。
日中、薄晴れ、19度。蛇苺実る。
「罪と罰」読了。没頭圧倒大傑作なり。
幸せは無料なれど無償に非ず。献身が必要なり。
夜、14度、朧月夜。
剰語
『罪と罰』を読んで、天才の定義を知った気がするなり。
天才とは自分の野心・目的を果たすためにはルールを平気で破れる人間を言うなり。ルールとは法律もあれば常識もあり。
天才とは自分に対する絶対感が生み出すものなり。
子供の絵は芸術でなけれど、稀に芸術的なものを感ずることがあるのは、その子は絵に上手下手があるを知らず、まして自分の絵がヘタだとは微塵も思っていないその絶対感に由来するなり。
いわゆるビギナーズラックも同様のものと解するなり。業界の常識・ルールを知らぬがゆえになしうる成功なり。ルールを知れば、たちまち出来なくなるなり。
歴史上の英雄たちもみな一種の天才なり。自身の野望のためには人の命を平気で犠牲に出来る者たちなり。我ら人類は、たいていこの力に憧れるものなり。
自分の成し遂げようとすることに倫理的な疑問を抱き、あるいは自身の明るい未来に暗い影を落とさぬかと不安を抱きて、自身を正当化する理屈を必要とするものは天才に非ず。されど、真人間なり。
バカと天才は紙一重との言葉あれど、これはバカか天才かを評価する側の道徳観念あるいは経済観念の問題なりて、バカと天才は同一なり。