ミシャカ日記

日本語の勉強と思考の整理のために

アモ子、ハンガーストライキのようなり

4月11日


朝、晴れ。気温一度。囀り、キツツキの太鼓を聞く。亭午にかけて薄雲広がる。

日中12度まで。


荷風日記を読む。戦時中、東京中の食物少なくなり、およそあらゆる店が門を閉ざした頃より、鼠、雀、鳩、猫もまた姿消したり、と。

 

アモ子、今朝はハンガーストライキのようなり。ヨーグルトかけてもドッグフード食べず。どこまで我慢できるかと思いし故、午後の散歩はアモ子の行きたがるところは全て行って草臥させてやると心に決めて、出かけたり。

まずはいつもの山道を登り、次はいつもは曲がるところをさらに登り、すり鉢状の山を東側へ進みけり。アモ子が立ち止まれば、その視線の先には何かがいる報せなり。カラマツを駆け上るリス。目の前の藪から飛び立つヤマドリ。そして鹿の群れなり。


行き止まりを引き返し、次は西側へ進みたり。はじめて往く路なり。アモ子、小川の水で喉を潤す。僕は水の一滴もなし。

空腹と疲労で、アモ子のリードを離さぬよう握っているだけで精一杯となりたるが、飼い犬に負けてなるものかと自らを奮い立たせ、アモ子に食らいついてゆきけり。


かなり山を登りし所に見晴らし良き場所ありて顧望するに、我が家のあたりあまりの遠さに呆然なり。


日も暮れ始め、路は西陽の山影に入りて肌寒くなりたり。

出発から二時間ほどした頃ようやくアモ子帰り始めたるが、そこで僕は靴擦れ起こしけり。右足を庇いながらの帰路となりけり。


これほど長き散歩になると思わざりし故、気軽に出かけしこと誤りなり。殊に靴紐緩く結びたること大いなる過ちなり。延々3時間の散歩。
帰宅後、アモ子の足を拭ってやれば一目散にドッグフードを食べ始めたり。

 

夜6度、星無し。フクロウ頻りに鳴く。

 

操觚散人の歌

人里離れし山にて閑居
空を眺めて作りし歌を
人に示さば笑いの嵐
誹りの雨に朽ちぬべし

 

●日米比首脳会談